今年の本。
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Bryan Turner (2006), Vulnerability and Human Rights.
ジュディス・バトラー、」『生のあやうさ―哀悼と暴力の政治学』(Judith Butler (2003), Precarious Life)
鮎川信夫・大岡信・北川透選 (2006)、『戦後代表詩選続 谷川俊太郎から伊藤比呂美』
若尾裕(2017)、『サステナブル・ミュージック』
G.ベーム(2007=2017)、『図像の哲学 いかにイメージは意味を作るか』
上半期はずっとベルクソンを読んでいた。もちろん昔から読んではいたのだけれど、なぜか突然めざめた。看護の研究のバックボーンはこれでいける、と確認したところで終了。
下半期は子ども支援にかかわる皆さんのことを考えるための理論的な土台を探していた。ゼミではロゴザンスキーの『我と肉』を批判的に読みながら、15年ぶりに現象学的にトラウマを考えるための言葉探しをする。とはいえ「支援のネットワーク」というテーマを考えるときには、現象学はもはや有効ではないような気もする。
東大での集中講義の際に学生さんに教わった
Bryan Turner (2006), Vulnerability and Human Rights.
で、戦争、ジェンダー、生殖医療などさまざまな傷つきやすさのマッピングのなかに自分の研究を位置づけし、最後にジュディス・バトラーが9.11のインパクトを受けて書いた
『生のあやうさ―哀悼と暴力の政治学』(Judith Butler (2003), Precarious Life)
で、「傷つけられた人」からも排除されてしまう存在をどう考えるのか、あるいは「自分自身が傷つけるものであるという自覚からしか虐待は考えることはできない」という(JaSPCANでシンポジウムをご一緒した)渡辺久子先生の言葉で年が暮れる。