2013年 09月 12日
後期ラカン入門
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『エクリ』の英訳者であるブルース・フィンクによるラカンの入門書の翻訳を出しました。3人の訳者が時間をかけて練り上げているので読みやすいものになっていると思います。
中後期の錯綜した部分についての説明が恐ろしくクリアで、今まで僕が読んだことがあるラカンの二次文献でもっともわかりやすいものです。ラカンに興味のある方はお手にとって見ていただければ幸いです。
フィンクによる本書序文
これでラカンが分かる!
英語圏におけるラカン派精神分析の第一人者による、解説書の決定版。
〈他者〉、主体、対象a、性的関係、四つのディスクールなど、精神分析家ジャック・ラカン(1901-1981)の後期思想における主要な概念を、一貫した展望のもとに明晰に、そして臨床からの視点を手放さず解説。巻末には「『盗まれた手紙』についてのセミネール」を詳細に読み解いた二つの補論を付す、充実の一書。
「ついに、「ラカンへの回帰」を遂行する本がここに登場した」(スラヴォイ・ジジェク)
「本書についてだが、最大の特徴はやはりその明快な記述にある。ラカンについて書かれた解説書は、それを理解しようとすればさらなる解説書を必要とする、ということがよくある。訳者もそのような経験をした読者のひとりである。しかしフィンクは、ラカンの読解に真摯に取り組みながら、数多くのジャーゴンや図やマテームについても丁寧に解説を施し、ロジカルでクリアな文を書き連ねていく。(……)数多くのラカン解説書をまさにシニフィアン連鎖のごとくぐるぐるとさまよった経験のある者にとっては、本書はラカンの難解な記述と格闘するための絶好のパートナーであると断言できる。」(訳者解説より)
by ojamo
| 2013-09-12 19:44